ホーム >  メールマガジンバックナンバー >  VOL.139 2024/5/29 【所得税定額減税の実施 - 対象となる人は?】

VOL.139 2024/5/29 【所得税定額減税の実施 - 対象となる人は?】


弁護士&社労士&税理士&司法書士が教える! 企業法務・労務・税務・登記に役立つ法律情報

名古屋総合社労士事務所


経営者、企業の法務担当者・人事労務担当者・管理部門担当者の皆さまがビジネスで必要な法律・労務・税務・登記知識を、無料のメールマガジンとして提供させていただきます。
法律のプロだからこそ話せる実際の事例や最新の法律にまつわる情報を「分かりやすさ」と「実践性」に主眼を置いて、月1回お届けします!

vol.139本号の内容

2024年5月29日

  • 所得税定額減税の実施 - 対象となる人は?

所得税定額減税の実施 - 対象となる人は?


はじめに

6月1日より所得税の定額減税が実施されます。

この定額減税は、本人およびその扶養する家族1名につき3万円の税額控除を受けられるというもので、給与所得者の場合、6月に最初に支給される給与ないし賞与にかかる所得税額から控除されます。ここで控除しきれなかった分は、7月以降に支給される給与および賞与より順次控除される仕組みになっています。

この減税を6月支給の給与計算より適用する準備を進めている会社の給与担当者の方より、特にこの対象となる人の範囲について多くご質問を受けております。

本メルマガではこの点についての概要をまとめたいと思います。

対象となる給与受給者の範囲

給与を受給している役員および従業員の中で、6月に支給される給与より行われる定額減税(月次減税)の対象となる者は、今年6月1日時点で勤務している者のうち、扶養控除等申告書を提出している者(甲欄適用者)に限られます。2か所から給与を受給しており、他所で扶養控除等申告書を提出している者(乙欄適用者)および日雇賃金の支払いを受けている者(丙欄適用者)は対象になりません。乙欄適用者は扶養控除等申告書を提出している勤務先で控除を受けることになり、丙欄適用者は確定申告書を提出することによって減税の適用を受けることになります。

なお、この定額減税は、今年の合計所得金額が1805万円を超える者については適用が除外されています(その配偶者および扶養親族も除外されます)。ただ、現時点で年間所得が1805万円を超えることが見込まれる者であっても、6月以降に支給される給与および賞与より定額減税の適用を受けることになりますので、ご留意ください。当該者の所得が最終的に1805万円を超えた場合、本人の確定申告の中で年間の所得税額と定額減税額との精算を行うことになります。

退職および中途入社の場合

6月に支給される給与より実施される月次減税は、6月1日に在籍している者が対象となりますので、5月31日以前に退職された者については、たとえ6月に入ってから給与または賞与の支給があっても、そこでの所得税額からの控除は行われません。当該者は、年内に再就職した勤務先での年末調整手続きの中で、あるいは確定申告で定額減税の適用を受けることになります。

また、6月2日以降に入社した者ですが、6月以降に支給される給与または賞与の中で定額減税を受けることはありません。今年の年末調整手続きの中で適用を受けることになります。

ところで、例えば減税額の全額の控除を受けられないまま今年9月に退職し、10月より別の会社に勤務することになったという場合ですが、前職で控除を受けられなかった分が新たな勤務先に引き継がれ、10月以降支給される給与の中で適用を受けるということはありません。このような場合はあくまで年末調整計算の中で差額調整を行うことになりますので、この点ご留意ください。

対象となる配偶者

定額減税の対象となる配偶者は、扶養控除等申告書に源泉控除対象配偶者として記載されている者の全てが対象となる訳ではありません。このうち、今年の合計所得金額の見積額が48万円以下である者(同一生計配偶者)に限られています。

したがって、今一度各人の扶養控除等申告書に記載されている配偶者の今年の所得の見積額を確認し、合計所得金額が48万円以下(給与収入金額で言うと103万円以下)であるか否かを判定する必要があります。

合わせて、従業員自身の今年の所得金額が900万円を超えることが見込まれたため、扶養控除等申告書に配偶者の情報を記載していない場合もありますので、この点のフォローも必要になります。

なお、合計所得金額が48万円を超える配偶者の定額減税は、自身の勤務先(ないし確定申告)で直接適用を受けることになります。

対象となる扶養親族

所得税の扶養控除の対象となる子等の扶養親族は16歳以上に限られていますが、定額減税の対象には16歳未満の子も含まれます。

そのため、扶養控除等申告書の控除対象扶養親族の欄に記載のある者のみでなく、「住民税に関する事項」の中に記載のある16歳未満の子も定額減税額の計算に含める必要があります。

配偶者の場合とは逆に、所得控除の対象者より適用範囲が広がりますのでご注意ください。

おわりに

先日の官房長官の記者会見の中で触れられたことでメディアでも大きく取り上げられましたが、今回の減税額については各人の月次の給与明細の中で明示することが求められています。

具体的には、控除項目の中に本来控除されるべき所得税額をプラスで記載し、その後に減税額をマイナスで記載するという表示になります。

多くの給与計算ソフトでは定額減税に対応するアップデートが進んでいるかと思いますが、念のため事前にご確認いただければと思います。

結婚や出生により定額減税の対象となる配偶者や子が最近になって増えた場合でも、6月支給給与の計算事務に間に合えば、これを減税額に加味することができます。そのためには このような異動のあった従業員から別途申告書を提出してもらう必要があります。

双方に混乱などが生じないよう、給与ご担当者はお早めにご対応ください。


次のようなご心配事がある場合は、名古屋総合リーガルグループがお役に立てますので、ぜひお電話ください。

  • 労務問題が心配なので、雇用契約書と就業規則について相談したい。
  • 従業員を解雇しなければならないが、どのようにしたらよいのか。
  • 従業員から残業代を請求されて困っている。
  • お客様・営業先からクレームを受けて困っている。
  • 契約書を作ったのでチェックしてほしい。
  • 取引先から契約書をもらったが、不利なものでないか不安なので相談したい。
  • ネット上で悪い評判を書かれて困っている。
  • 売掛金を回収したい。
  • 新しい事業を考えているが法的に気をつけるべき点を相談したい。

当事務所のご相談受付はこちらです。お気軽にお問合せ下さい。

⇒ ご相談のご予約 052-231-2601

または、メールフォームからお願いいたします。


弁護士法人名古屋総合法律事務所および税理士法人名古屋総合パートナーズはともに経営革新等支援機関に認定されています。

名古屋総合リーガルグループでは、中小・中堅企業の実情も十分考慮した上で、企業が抱える労務問題、取引先や顧客からのクレーム・トラブル、著作権侵害などのリスクから会社を守る方法を提案しています。

残業代やセクハラ、解雇やうつ病などの労務問題に頭を抱えていらっしゃる経営者様も多いと思います。

多くの問題は、法律の知識をもって対策をしておくことで未然に予防することができます。

顧問契約等の制度を利用していただければ、わざわざ来所していただかなくても電話やメールで気軽に相談していただくことができます。

ぜひ下記からお気軽にご連絡下さい。

▼法人様向けホームページはこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/

▼私たちが企業法務で選ばれる理由
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/reason/

▼顧問契約をお考えの方はこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/general-counsel/

メールマガジンバックナンバーへ戻る

ご相談予約はこちらまで/お電話でのお問い合わせはこちら/TEL.052-231-2601/相談時間/平日 9:00-18:00/土曜 9:30-17:00/夜間 火曜・水曜 17:30-21:00/ご相談の流れはこちら

ご相談の流れはこちら

業務案内

電話・オンライン相談はじめました

マチ工場のオンナ

名古屋総合法律事務所の理念

解決事例

企業法務ブログ

経営品質・人材育成ブログ