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2024年3月28日
名古屋総合法律事務所
社会保険労務士 増田友子
春の訪れとともに、歓送迎会やお花見など、お酒をたしなむことが増えるシーズンがやってまいりました。
アルコールは、家族や友人、職場の仲間等との歓談に欠かせない、多くの人々から歓迎されているものである、と認知されている一方で、その付き合い方によっては健康や人間関係を損ない、
時として法律違反につながる問題行動発生リスクを高めてしまうものであることも、忘れてはなりません。
厚生労働省によれば、2024年2月19日、飲酒に伴うリスクに関し、正しい知識の普及推進のため、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を作成、公表したとの発表がありました。
なお、このガイドラインは、現状における科学的知見の蓄積により作成されているとされ、必要に応じて(将来)変更される可能性があることが付記されています。
このようなガイドラインが作成された背景として、 「アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることが目的」とされていることから、 飲酒行動には、疾病発症のリスク、問題行動発生のリスクが一定程度あることを踏まえ、それを避けるためにどのような飲酒が望ましいのか、を行政として示したものと言えそうです。
「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表します - 厚生労働省
以下は、今回発表された飲酒ガイドラインで述べられている要点をまとめたものになります。
飲酒による身体への影響と健康リスク
飲酒量の把握の仕方
健康に配慮した飲酒の仕方等について
避けるべき飲酒等について
筆者はこれまで、アルコール度数や容量(ml)ばかりに注目しており、「純アルコール量」という指標があるということを、知りませんでした。
酒類飲料は、口当たりよく作られている商品も多く、見栄えの良い商品が数多く販売され、「アルコール」を体内に入れているという事実を忘れてしまいそうになります。
ただ、当該ガイドラインで示されている、「我が国における疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量)」を確認してみますと、飲酒量(ml)に着目するよりも、
純アルコール量(g)に着目することがいかに大事なのか、ということを突き付けられているように感じました。
世界保健機関(WHO)では、アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略を示しているそうで、
また、循環器疾患やがん等の疾患の予防コントロールのため、アルコール有害使用の削減に関する目標なども含めた行動計画を発表している(当該ガイドラインより引用)との記載もありました。
厚生労働省から、このようなガイドラインが発表されたことが、世の中に広く周知され、健康に配慮しながら楽しいお酒をたしなめるような社会が広がることを願っています。
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