ホーム >  企業法務ブログ >  VOL.130 2023/8/7 【法廷で裁判官の指示に従わないと、どうなるのか?】

企業法務ブログ

ブログトップ 記事一覧

VOL.130 2023/8/7 【法廷で裁判官の指示に従わないと、どうなるのか?】


弁護士&社労士&税理士&司法書士が教える! 企業法務・労務・税務・登記に役立つ法律情報

名古屋総合社労士事務所


経営者、企業の法務担当者・人事労務担当者・管理部門担当者の皆さまがビジネスで必要な法律・労務・税務・登記知識を、無料のメールマガジンとして提供させていただきます。
法律のプロだからこそ話せる実際の事例や最新の法律にまつわる情報を「分かりやすさ」と「実践性」に主眼を置いて、月1回お届けします!

vol.130本号の内容

2023年8月7日

  • 法廷で裁判官の指示に従わないと、どうなるのか?

名古屋総合法律事務所
弁護士 杉浦恵一

弁護士&社労士&税理士が教える! 企業法務・労務・税務・登記に役立つ法律情報


はじめに

最近のニュースで、法廷で裁判官の指示に従わなかった弁護士が、身柄を拘束され、過料の制裁を課されたという報道がありました。

事案の概要としては、弁護士が法廷で録音をしようとしたところ、裁判官がそれを認めず、最終的に退廷が命じられても応じなかったため、手錠で拘束されて退廷させられた、という経過のようです。

その後、制裁裁判が開かれ、3万円の過料が課されたということでした。


「法廷等の秩序維持に関する法律」

裁判所で不規則発言などがあると、裁判官が発言を止めるように指示するなど、法廷では裁判官に秩序維持のための権限があると考えられます。

今回ニュースになった内容は、「法廷等の秩序維持に関する法律」という法律に基づいて行われたようです。


「法廷等の秩序維持に関する法律」の内容

この法律の第2条1項では、以下のような定めがあります。

「裁判所又は裁判官(以下「裁判所」という。)が法廷又は法廷外で事件につき審判その他の手続をするに際し、その面前その他直接に知ることができる場所で、秩序を維持するため裁判所が命じた事項を行わず若しくは執つた措置に従わず、又は暴言、暴行、けん騒その他不穏当な言動で裁判所の職務の執行を妨害し若しくは裁判の威信を著しく害した者は、二十日以下の監置若しくは三万円以下の過料に処し、又はこれを併科する。」

なお、「監置」とは、留置場に留置することだとされています(同2項)。

この内容からしますと、①事件について手続をする際に、②裁判官の面前か裁判官が直接知ることができる場所で、③(1)裁判所が命じた事項を行わない・(2)裁判所が執った措置に従わない・(3)裁判所の職務の執行を妨害・(4)裁判の威信を著しく害した、という場合には、制裁が科される場合があるということです。

また、この法律の第3条2項では、「前条第一項にあたる行為があつたときは、裁判所は、その場で直ちに、裁判所職員又は警察官に行為者を拘束させることができる。この場合において、拘束の時から二十四時間以内に監置に処する裁判がなされないときは、裁判所は、直ちにその拘束を解かなければならない。」とされています。

つまり裁判官は、その場で行為者の身柄を(最長24時間)拘束することができることになっているようです。

制裁の内容が20日以下の留置場への留置か3万円以下の過料ということですので、留置場に最長で1か月近く拘束されるのは大変ですが、これまでの例では、科される制裁としては過料が多いようです(監置される例もあります)。


さいごに

裁判官の判断で、その場で身柄拘束までできてしまう点で、権限としては強力ではありますが、基本的には裁判官の指示に従えば、制裁まで課される可能性は少ないでしょう。

ただし、過料とは、罰金や科料とは異なり刑事罰ではありません。

なお、法廷等の秩序維持に関する法律に該当するか否かと、法廷で行った行為が、業務妨害や脅迫などの別の犯罪に該当するか否かは別ですので、別に刑事事件になって処罰される可能性がある点は注意が必要でしょう。


次のようなご心配事がある場合は、名古屋総合リーガルグループがお役に立てますので、ぜひお電話ください。

  • 労務問題が心配なので、雇用契約書と就業規則について相談したい。
  • 従業員を解雇しなければならないが、どのようにしたらよいのか。
  • 従業員から残業代を請求されて困っている。
  • お客様・営業先からクレームを受けて困っている。
  • 契約書を作ったのでチェックしてほしい。
  • 取引先から契約書をもらったが、不利なものでないか不安なので相談したい。
  • ネット上で悪い評判を書かれて困っている。
  • 売掛金を回収したい。
  • 新しい事業を考えているが法的に気をつけるべき点を相談したい。

当事務所のご相談受付はこちらです。お気軽にお問合せ下さい。

⇒ ご相談のご予約 052-231-2601

または、メールフォームからお願いいたします。


弁護士法人名古屋総合法律事務所および税理士法人名古屋総合パートナーズはともに経営革新等支援機関に認定されています。

名古屋総合リーガルグループでは、中小・中堅企業の実情も十分考慮した上で、企業が抱える労務問題、取引先や顧客からのクレーム・トラブル、著作権侵害などのリスクから会社を守る方法を提案しています。

残業代やセクハラ、解雇やうつ病などの労務問題に頭を抱えていらっしゃる経営者様も多いと思います。

多くの問題は、法律の知識をもって対策をしておくことで未然に予防することができます。

顧問契約等の制度を利用していただければ、わざわざ来所していただかなくても電話やメールで気軽に相談していただくことができます。

ぜひ下記からお気軽にご連絡下さい。

▼法人様向けホームページはこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/

▼私たちが企業法務で選ばれる理由
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/reason/

▼顧問契約をお考えの方はこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/general-counsel/

ブログトップ記事一覧

最新の記事

月別

ご相談予約はこちらまで/お電話でのお問い合わせはこちら/TEL.052-231-2601/相談時間/平日 9:00-18:00/土曜 9:30-17:00/夜間 火曜・水曜 17:30-21:00/ご相談の流れはこちら

ご相談の流れはこちら

業務案内

電話・オンライン相談はじめました

マチ工場のオンナ

名古屋総合法律事務所の理念

解決事例

企業法務ブログ

経営品質・人材育成ブログ