円満退職である合意退職に向けて
合意退職を実現するためのステップを紹介します。
(1)指導・教育の実施
合意退職に持ち込むには、まず、会社が問題のある従業員に対して改善のための指導・教育を行っておくことが
考えられます。
ここでポイントとなるのは、「指導・教育の具体的内容」、および、「指導・教育を実施したことで当該従業員の就労態度や業務能力がどのように変化したのか」について記録を残しておくことです。
裁判所は、会社が当該従業員の退職を回避する努力を採ったのかを重視しますので、退職に至るプロセスを全て証拠として残すことが重要になってきます。
(2)配転の実施・退職勧告の実施
然るべき指導・教育をしたにも関わらず、当該従業員の就労態度や業務能力に変化が見られない場合は、次の段階として、配転(部署異動)の実施を検討しましょう。
それでも変化が見られない場合には、退職勧奨を行ったうえで、降格・降給を検討すべきです。
なお、退職勧奨は必ず2名以上の面接形式で行い、後々「退職を強いられた」と言われないように配慮する必要があります。
この時点で従業員が退職勧告に応じる場合は、家族構成に応じて退職金額を加算することも検討すべきでしょう。
最終的に従業員が退職勧奨に合意した場合は、合意書を作成してください。合意書の文面に不備があった場合、トラブルが再燃する可能性もありますので、合意書の作成に際しては労働事件に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。