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VOL.97 2020/05/11【求人不受理の対象が拡大されます】


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vol.97 本号の内容

2020年05月11日

  • 求人不受理の対象が拡大されます。
  • 編集後記

求人不受理の対象が拡大されます。

事業主様にとって、自社従業員の「採用」は非常に大きな問題です。
少子高齢化の進む我が国において、優秀な人材獲得は企業の重要経営課題の一つというべき状況ではないでしょうか。

事業主様が求人を考える際、様々な手段がありますが、その中でもまずはハローワークや職業紹介事業者を通じた求人をお考えになるケースが多いと思われます。

ハローワークや職業紹介事業者は、事業者から求人の申し込みがあった場合、原則すべての求人を受理しなければならないのですが、一部以下の例外が定められておりました。

  • ① 内容が法令に違反する求人
  • ② 労働条件が通常の労働条件と比べて著しく不適当な求人
  • ③ 求人者が労働条件を明示しない求人のいずれかに該当する求人

このような例外が定められている理由の一つに、職を求めている労働者の保護の問題があります。
いくら職を得ることができたとしても、休職者にとって著しく不利益となるような求人では、本末転倒となるからです。

さて、2020年(令和2年)3月30日から、改正職業安定法の⼀部や関連する政令・省令・指針が施⾏され、⼀定の労働関係法令違反のある求⼈者からの求⼈の申し込みなどを受理しないことが可能となりました。
この改正によって、上記①~③の不受理要件に加え、

  • ④ 一定の労働関係法令違反の求人者による求人
  • ⑤ 暴力団員、法人で役員の中に暴力団員がいる者、暴力団員がその事業活動を支配する者による求人
についても受理しないことが可能になりました。

実務上、職業紹介事業者は求人者に対し、自己申告を求めることとなるでしょう。
「私どもは、この求人申込みの時点において、職業安定法に規定する求人不受理の対象に該当いたしません」と記載された、自己申告書の参考様式が厚生労働省から出されていますので、求人の申し込みを受ける場合にはこの参考様式を利用されることをお勧めします。

自己申告書の参考様式

なお、求人者が上記確認項目について自己申告を行わなかった場合にも、求人を受理しないことができます。
さらに、求人者が事実に相違する自己申告を行った場合、都道府県労働局が勧告・公表などを行うことができます。
求人者の自己申告の内容が事実と相違する恐れがあるといった場合には、直ちに都道府県労働局まで連絡するよう、注意喚起されています。

では、④にいう「一定の労働関係法令違反の求人者」とは具体的にどのような求人者のことを指すのでしょうか。

  • 労働基準法および最低賃金法に関する規定で、1年間に2回以上、同一の対象条項違反により是正指導を受けた場合
  • 労働基準法および最低賃金法に関する規定に関する規定で、対象条項違反により送検され、(企業名が)公表された場合
  • 職業安定法、男女雇用機会均等法および育児・介護休業法に関する規定で、対象条項に違反し、法違反の是正を求める勧告に従わず、公表された場合

上記⑴~⑶にあげる求人者について、⑴と⑶は、法違反の是正されるまでの期間+是正後6カ月経過するまで、⑵は送検された日から1年経過するまでが不受理期間となります。
つまり、該当法令に違反している状態にあっても、直ちに求人不受理となるわけではありません。

これらのことから、「求人不受理」に関し、企業経営におけるポイントは2つあると考えられます。

求人不受理に関する企業経営におけるポイントその1

まず第一に、事業を行う上で反社会勢力とかかわらないという姿勢です。
これには、従業員採用の際に身元調査を入念に行う、反社会性力との関わりを持たない誓約書を作成させる等の対策が考えられます。

求人不受理に関する企業経営におけるポイントその2

第二に、労働関係諸法令に違反した状態を社内からなくすことです。とはいえ、様々な事情でなかなかそこまで追いついていないという状態にあっても、監督省庁から調査が入った場合には、是正勧告に従い順次改善することが肝要だということです。
対処方法を誤らなければ、上記①~③にあげた不受理期間がもうけられるほどの事態とはならないでしょう。

まとめ

これまでみてきましたとおり、この「求人不受理」の制度は、あくまで「受理しないことができる」というものであり「受理されない」「不受理としなければならない」ものではありません。
しかし、人材獲得が年々難しくなっている現状を踏まえ、自社においては、「求人不受理」とならない企業経営が望ましいことはいうまでもありません。

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編集後記

皆様こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

毎日のニュースもコロナ一色ですね。

近頃はステイホーム週間になって、お家時間を過ごされてるのかなと思います。

私は普段から家にこもっていることに慣れているたちですが、それでも自由に遊びに出かけられないのは辛いものがあります。
家族や地元から離れてひとり暮らしの人は特に孤独を感じると思います。

「リモート飲み会」はそんな時にとてもありがたいです。普段から遊んでいる友達はもちろんのこと、習い事やサークルの人たちと開催したり、数人での同窓会も行なっています。
なかなか集まれないメンバーが気軽に集まれるので、これはコロナが収束してもやりたいなあ!と思いました。
今はみんな予定が空いていることは容易に予想できるので、誘いやすいです。

こういった緊急事態の時には、家族・友達のありがたみを感じますね。
そしてトップに立つ人のリーダーシップも真価を問われるといいますか、どういった決断をするのかで大きく左右されてくるのだなと思います。

私の周りにも、教室の閉鎖や飲食店の経営などで苦境に立たされている方がいらっしゃって、皆様の中にも影響が大きく及んでらっしゃる方もおありかと思います。
心理学やスポーツなどで言われる「レジリエンス」という言葉があって、困難があっても立ち上がる力のことだそうです。
今はそのような力が試されているのかなあと思いました。

外出できない、社会的な交流が断たれているストレスというのは知らないうちに蓄積しているものかと思います。皆様どうぞご自愛くださいませ。

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