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弁護士法人 名古屋総合法律事務所
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vol.48 本号の内容
- 平成28年度税制改正法案が可決・成立
- 編集後記
■平成28年度税制改正法案が可決・成立
平成28年度税制改正法案ですが、先週3月29日に開かれた参議院本会議で、平成28年度予算案とともに、本案どおり可決・成立しました。
これまでの報道でも伝えられているとおり、軽減税率の導入やいわゆる「インボイス制度」への段階的移行など、特に消費税について実務上の取り扱いにおいて混乱が懸念される内容となっております。
今回のメールマガジンでは、この消費税制改正を含め、本改正の主だった内容をご紹介したいと思います。
法人税率の段階的引下げ
昨年度の税制改正においても引下げが実施された法人税率ですが、次のとおりさらに段階に引下げが図られることになりました。
改正前 23.9%
改正後
- 平成28年4月1日開始事業年度以降 23.4%
- 平成30年4月1日開始事業年度以降 23.2%
また、法人事業税の所得割の引下げも行なわれたため、法人実効税率(実質的な負担率)は大法人においても30%を下回ることとなりました(平成28年4月1日開始事業年度以降 29.97%、平成30年4月1日開始事業年度以降 29.74%)。
消費税軽減税率の導入
平成29年4月1日以降、消費税率が10%に引き上げられる中、一部取引(商品)につき、消費税率を8%に据え置く(軽減税率を適用する)ことになりました。
この軽減税率の対象となる商品は次の2つです。
- 飲食良品(酒類、外食サービスを除く)
- 定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞
特に外食サービスの線引きは依然としてその曖昧さ拭えず、販売の現場での混乱や不公平感が生じることは避けられない様相です。
消費税インボイス制度への段階的移行
軽減税率の導入に併せて、複数税率に対応する仕入税額控除の方式として、インボイス制度(「適格請求書等保存方式」)が平成33年4月1日より導入されます。
このインボイス制度とは、事業者番号や品目ごとの税率および税額が記載された請求書の発行を事業者に義務付け、納税義務者は帳簿ではなくこの「適格請求書」に基づいて消費税額を計算し納税する仕組みです。
これにより、事業者の負担は増えますが、税率が複数存在しても消費税額を正確に把握することが可能になります。
なお、次年度以降、平成33年度にインボイス制度が導入されるまでの4年間については、経過的措置として、現行の請求書の記載事項に税率ごとに合計した対価の額等を加えれば足りることとし、また、主に中小事業者の担軽減を図るために、税額計算についていくつか簡便計算の特例が設けられました。
相続財産に対するマイホーム特例の適用
近年全国的に課題となっている空き家対策の一環として、いわゆるマイホーム特例(自己が所有し居住する土地家屋等の財産を売ったときに譲渡所得から最高3000万円までの控除が認められる制度)の適用対象となる居住用財産の範囲が広げられ、一定の要件の下、相続(または遺贈)により取得した被相続人の自宅にも適用を認められることになりました。
譲渡所得税発生の懸念による相続不動産の放置という問題に対する有効な解決策となることが期待されます。
ただし本制度は、平成31年12月31日までの間に譲渡された居住用財産に適用が限られておりますので、この点には注意が必要です。
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編集後記
みなさんこんにちは。桜の花が咲き始めましたね。気温も暖かくなってきて、気持ちまで上向きになるような気がいたします。
お花見にはお出かけになられましたでしょうか?
自宅の前の小学校の桜も、今まさに見頃を迎えています。卒業式、入学式と、この時期は出会いや別れ、再会が印象に残るように思います。
4月から移動されたり、新しい環境で再スタートされる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? 弊所でも新人弁護士や新しいスタッフを迎えて、より充実したサービスを提供できるように邁進していきます。
春は種まきの季節でもあります。日々のルーティンワークや週末の予定に追われていると、ついつい次のステップに発展するような新しい計画の準備は後回しになりがちですよね。
より実りある一年となるよう、今、種を蒔き、新しい芽を育んでまいりたいと思います。