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2022年1月11日
名古屋総合社労士事務所 社会保険労務士 増田友子
事業所に雇用されるなどして、勤め先の健康保険に加入されていた方が退職することとなった場合、退職すると在職中における健康保険の被保険者資格を失うことになります。退職後における健康保険加入の選択肢については、以下の3種類が考えられます。
このうち、3.任意継続被保険者になる という選択をした場合には、退職後引き続き最長2年間、退職前の健康保険の被保険者となることができます。
そのメリットは、在職中と同様の健康保険給付が受けられる、前年所得が多い場合には国民健康保険に加入するより保険料を低額に抑えることができる場合がある、原則として2年間保険料が変わらない、といったことが想定されます。
ただしこれまでは、一旦任意継続被保険者となると、原則、以下の理由以外によって自主的に資格喪失できない、といった、少々制限のある制度でもありました。
【1】任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したとき
【2】被保険者が死亡したとき
【3】保険料を納付期日までに納付しなかったとき(正当な理由のある場合を除く)
【4】再就職し、その被保険者となったとき
【5】船員保険の被保険者となったとき
【6】後期高齢者医療制度の対象となったとき
今回、上記6つの資格喪失事由に、新たに「任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき」が喪失事由に加えられ、令和4年1月1日から施行されました。
(健康保険法 第38条)つまり、任意継続被保険者であった方が、自主的に任意継続被保険者資格を喪失するという選択をすることが可能となったわけです。
具体的には、任意継続被保険者をやめたいといった場合、保険者に「資格喪失申出書」を提出します。保険者が申し出を受理した日(保険者に到達した日=保険者の郵便受けに投函された日)の属する月の翌月1日に、その資格を喪失します。
(例)令和4年1月14日に、資格喪失申出書が受理された場合、その資格喪失日は令和4年2月1日となります。
ここでいくつか注意点があります。
1. 資格喪失を申し出た時点では、まだ資格喪失をしていない状態の為、申出書に健康保険証を添付して返却してしまわないようにしましょう。
2. 資格喪失申出書の受理(保険者の郵便受けに到達した日)をもって、翌月1日の資格喪失が生じる、ということであり、保険者による処分とは異なります。よって、例えば、令和4年3月1日に資格喪失を希望しているのにも関わらず、早まって令和4年1月14日に資格喪失申出書が受理されてしまった場合、令和4年2月1日に資格喪失してしまいます。申し出を行うタイミングに注意しましょう。
3. 資格喪失申出書が受理された後は、原則として、その申し出の取消は認められません。申請誤りのないよう、注意しましょう。
4. 任意継続被保険者の資格は、その保険料が毎月の納期限までに納付されなかった場合にも喪失してしまいます。例えば、令和4年1月14日に資格喪失申出書が受理され、令和4年2月1日に資格喪失されるべきところ、1月の保険料納付期日(毎月1日から10日の間に、当月の健康保険料の納付を行うこととされています)までに、1月分の保険料の納付がなされていなかった場合、資格喪失申し出による喪失日(この場合令和4年2月1日)ではなく、納付期日の翌日(この場合、令和4年1月11日)に被保険者資格を喪失してしまいます。最終月の保険料納付期日には注意しましょう。
今回の法改正は、令和3年6月11日付で公布された「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」のうちの一つの改正点となります。
これは、現役世代の給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、全ての世代で広く安心を支えていく「全世代対応型の社会保障制度」を構築するために施行されたもの、のことです。
【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/204.html
以上、退職後の健康保険制度のうち、任意継続被保険者についての法改正に関し、実務上気を付けなければならない改正点をまとめました。ご参考になさってください。
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