皆様の会社では、株主総会はいつ開いていますか。
ひとえに株主総会と言っても、役員の方々がやるべきことはたくさんあると思います。
今回は、実際の株主総会の場で、取締役はどこまで説明を尽くさなければいけないのか、この機会に、会社法の規定とともに改めて整理したいと思います。
弁護士 岩崎
皆様の会社では、株主総会はいつ開いていますか。
ひとえに株主総会と言っても、役員の方々がやるべきことはたくさんあると思います。
今回は、実際の株主総会の場で、取締役はどこまで説明を尽くさなければいけないのか、この機会に、会社法の規定とともに改めて整理したいと思います。
会社法314条は、「取締役…監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない」と定めています。
従来は、合同会社が自らの資金調達のために社員としての出資を募る行為は、金融商品取引業の登録をせずに行うことができました。
これは、株主総会の場における実質的かつ公正な議論を確保するという観点から、昭和56年商法改正で導入されたものであり、説明義務の違反は、株主総会決議の取消事由に当たり得ます(会社法831条1項1号)。
では、役員は一切説明を拒むことができないのかといえば、そうではありません。
会社法は、株主から特定の事項につき、説明を求められた場合であっても、説明しなくてもよい場合を以下のとおり定めています。
上記のとおり、会社法上は、役員は、株主総会の場で株主から説明を求められた場合、「2」の場合を除き、株主に説明しなければならないことになります。
では、役員はどこまでの説明を尽くす必要があるのでしょうか。
この点については、会社法に明確な定めは置かれていませんが、一般的には、「役員に説明義務を課している趣旨が議題や議案に対する判断の手がかりを提供することにあることから、議案の賛否に関する合理的判断に客観的に必要な情報を説明することで足りる」と考えられています(東京地判平成16.5.13金判1198号18項)。
もっとも、具体的にどのような場合に説明義務の違反となるかは事例判断とならざるを得ません。
次稿で、過去の裁判例等を紹介させていただきますので、ご参考にしていただけますと幸いです。