会社法には、会社分割という制度が設けられております。
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会社法には、会社分割という制度が設けられております。
同制度が設けられた主要な動機は、企業の経営効率化を図るべく、
⑴ 事業の一部を同じ企業グループ内の再編として切り離したり
⑵ グループ外に切り離す形で承継させることを容易にするため
であると言われております。
ところで、上記「事業の一部を切り離す」との目的を達成するのであれば、会社分割以外に事業譲渡等の方法が考えられます。
しかし、それらの方法ですと、債務を移転するために債権者の個別の同意が必要となる等、手続きとして煩雑であると考えられております。
そのような観点から、事業を切り離す場合には会社分割を積極的に使うべきだと思われます。
会社分割には、「会社の権利義務を既存の他の会社に承継させる」吸収分割と、「手続き中に新たに設立する会社に承継させる」新設分割とが存在します。
すなわち、「既存の会社」に承継させるのか、それとも「新たに設立する会社」に承継させるのかの違いです。
しかし、吸収分割であっても、「先行して新設会社を設立し、そこに事業の一部を承継させる」との方法をとれば、実質的には新設分割と変わらなくなります。
それでは「先行して新設会社を設立し、そこに事業の一部を承継させる」吸収分割と、新設分割とで、どのような差異があるのでしょうか。
それは、当該承継対象となる事業に必要な許認可との問題が関係してきます。
すなわち「先行して新設会社を設立し、そこに事業の一部を承継させる」吸収分割ですと、会社分割を実施する前に新会社が存在しておりますので、新会社にて当該事業に必要な許認可を先行して取得することが可能です。
他方、新設分割ですと、会社分割の効力発生時にはじめて新会社が設立されるため、事前に必要な許認可を先行して取得することができません。
つまり、新設分割の方法を採用する場合、会社分割の効力発生後、すぐに事業を開始することができず、新会社にて許認可を取得してから事業を行わなければならない可能性があるということです。
このような違いもあってか、法人様が会社分割を検討する場合、一般的には新設分割よりも吸収分割を採用するケースが多いと言われております。
会社分割の実施をご検討されている法人様は、ぜひ参考にしてください。
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