弁護士&社労士&税理士&司法書士が教える! 企業法務・労務・税務・登記に役立つ法律情報
弁護士法人 名古屋総合法律事務所
経営者、企業の法務担当者・人事労務担当者・管理部門担当者の皆さまがビジネスで必要な法律・労務・税務・登記知識を、無料のメールマガジンとして提供させていただきます。
法律のプロだからこそ話せる実際の事例や最新の法律にまつわる情報を「分かりやすさ」と「実践性」に主眼を置いて、月1回お届けします!
弁護士&社労士&税理士&司法書士が教える! 企業法務・労務・税務・登記に役立つ法律情報
弁護士法人 名古屋総合法律事務所
経営者、企業の法務担当者・人事労務担当者・管理部門担当者の皆さまがビジネスで必要な法律・労務・税務・登記知識を、無料のメールマガジンとして提供させていただきます。
法律のプロだからこそ話せる実際の事例や最新の法律にまつわる情報を「分かりやすさ」と「実践性」に主眼を置いて、月1回お届けします!
2022年02月07日
名古屋総合法律事務所
弁護士 杉浦 恵一
改正民法が施行されることによって、令和4年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられることになります。
現在は民法4条により成人は20歳とされていますが、これが2歳引き下げられることになります。
法務省の説明(Q&A)では、選挙で投票できる年齢が18歳に引き下げられ、18歳以上を大人とする政策が進められてきたことから、18歳以上を正式に大人として扱うことになったというような説明がなされています。
例えば、児童福祉法では「児童」を満18歳に満たない者としており(第4条)、自治体の青少年保護育成条例でも「青少年」を18歳未満の者と定義する場合が多いようです。
このように、事実上、これまでも18歳以上で区切られてきたという事実はあります。
民法改正の施行日が令和4年4月1日ですので、この時点で18歳になっている場合だけでなく、19歳になっている場合にも一律に成人として扱われることになります。
また、結婚可能年齢についても、以前は女性は16歳以上が結婚することができましたが、男女ともに一律18歳に統一されることになります。
このように18歳が成人となった場合には、どのような影響があるのでしょうか。未成年の場合、親の親権に服し、未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならないとされています(民法5条1項)。
また、法定代理人の同意を得ない法律行為は、取り消すことができるとされています(民法5条2項)。
このようなことがあることから、例えば消費者問題に関しては、未成年者が親権者の同意を得ずに借金をしたり、買い物をしても、取り消すことが可能な場合がありました。
しかし、18歳以上が成人となると、18歳以上が行ったクレジットカードの作成や借金などの契約は、もはや親が取り消すことはできなくなります。
成人年齢が20歳から18歳に引き下げられ、18歳から成人になったとしても、急に判断力などが備わるわけではありません。
日本貸金業協会が行った成人年齢引き下げに伴う貸金業界の貸付方針・取り組み状況の調査では、協会員547社中420社から回答があり、そのうち成人年齢が引き下げられた後、18歳から19歳の者に対して貸付をする場合、親の同意を取得すると回答したのは約30パーセント(学生の場合には約36パーセント)だということです。
つまり、3分の2程度の貸金業者では、18歳から19歳の者に対して、親の同意を得ずに貸付をする可能性が高く、この年齢の者が家族の知らないうちに借り入れをして、借金が増えて行ってしまうという可能性を示しています。
最近はクレジットカードでのリボルビング払いのように、借金が増えやすい形態の取引も増えていますので、18歳以上が成人になったとしても、子供のいる家庭はそういった消費者教育に注意する必要があるでしょう。
ちなみに、成人年齢が18歳になったとしても、色々な規制が18歳に統一されるわけではありません。例えば、アルコールを飲んだり、たばこを吸ったりできる年齢は20歳のままです。
これは、身体的・健康上の問題から設定された規制であるため、大人と同様に意思を尊重するかどうかという問題とは別と考えられているためです。
成人式も、従前は20歳になるときに行われていましたが、そもそも法律上、成人式の定義や実施に関する決まりはありませんので、18歳になるときに行わなければならないというものでもありません。そのため、各自治体の判断になりますが、成人式は20歳で実施するとしても、特に問題はありません。
また、従来は養育費の終期は20歳とすることが多かったのですが、成人年齢が18歳になったからといって、裁判所の運用が変わるわけではないようです。
裁判所の考えでは、自分で収入を得ることができない未成熟な状態かどうかが問題であり、世の中の情勢として18歳で収入を得られるかというと必ずしもそうではないため、この点は変わらないようです。
そのため、養育費を決める場合には、子供の年齢が幼く、将来が決まっていないような場合には、何歳になるまで支払うかということで争うよりも、進学せずに就職して収入を得るようになったときに、養育費減額などの手続で対応した方がいいのではないかと思われます。
次のようなご心配事がある場合は、名古屋総合リーガルグループがお役に立てますので、ぜひお電話ください。
当事務所のご相談受付はこちらです。お気軽にお問合せ下さい。
⇒ ご相談のご予約 052-231-2601
または、メールフォームからお願いいたします。
弁護士法人名古屋総合法律事務所および税理士法人名古屋総合パートナーズはともに経営革新等支援機関に認定されています。
名古屋総合リーガルグループでは、中小・中堅企業の実情も十分考慮した上で、企業が抱える労務問題、取引先や顧客からのクレーム・トラブル、著作権侵害などのリスクから会社を守る方法を提案しています。
残業代やセクハラ、解雇やうつ病などの労務問題に頭を抱えていらっしゃる経営者様も多いと思います。
多くの問題は、法律の知識をもって対策をしておくことで未然に予防することができます。
顧問契約等の制度を利用していただければ、わざわざ来所していただかなくても電話やメールで気軽に相談していただくことができます。
ぜひ下記からお気軽にご連絡下さい。
▼法人様向けホームページはこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/
▼私たちが企業法務で選ばれる理由
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/reason/
▼顧問契約をお考えの方はこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/general-counsel/