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弁護士法人 名古屋総合法律事務所
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2019年12月19日
先週12日、与党自民党、公明党は令和2年度の税制改正大綱を決定し、同日公表しました。
前年度の大綱は消費税率引上げによる景気減退への対応策が目立つものとなりましたが、今年度は持続的な経済成長の基盤となるオープンイノベーションや5G情報インフラの普及を促進するための措置などを前面に打ち出すものとなっています。
本メルマガでは、今回の大綱で決定された改正事項のうち、所得税など個人に関連する事項を中心にその概要をご紹介したいと思います。
1. 未婚のひとり親に対する寡婦控除の適用
昨年の税制改正で見送られ再検討とされた未婚のひとり親に対する寡婦(寡夫)控除がようやく認められました。具体的には、未婚のひとり親が生計を一にする子を有し、かつ所得金額が500万円以下である場合には、寡婦(寡夫)控除が適用されるようになります。
併せて、これまで男性(寡夫)にのみ求められていた500万円の所得制限を女性(寡婦)にも求めることとされ、また、これまで金額に差があった子有りの寡婦と寡夫の控除額が同額(35万円)となります。
2. 低未利用土地を譲渡した場合の特別控除の新設
低未利用地の活用の促進を図るべく、個人が都市計画区域内にある低未利用土地(またはその上に存する権利)を譲渡した場合に、一定の要件を満たせば、当該譲渡にかかる譲渡所得から100万円を控除することができるという新たな所得控除制度が新設されます。
この一定の要件には、低未利用であることおよび譲渡後の利用につき市区町村の確認がなされていること、5年超保有している土地等であること、譲渡の対価が500万円を超えないこと、などが挙げられています。
どのような状態にあることを低未利用土地等とするか、市町村による確認手続きの具体的な内容などにつき、この先定められることになるかと思います。
3. 配偶者居住権にかかる譲渡所得課税の明確化
来年4月に施行となる民法上の配偶者居住権について、昨年度の税制改正でその相続税における評価基準が明示されましたが、今回の大綱で、配偶者居住権が消滅した場合の譲渡所得税課税の扱いにつき明確になりました。
配偶者の死亡前に合意解除や放棄により配偶者居住権が消滅した場合に土地または建物の所有者がその対価を支払わなかった(または著しく低い対価を支払った)ときは、当該配偶者より贈与を受けたものと取り扱われ贈与税の対象となるという旨はその後の通達でも明らかにされましたが(相続税法基本通達9-13の2)、今回の大綱では、土地または建物の所有者から配偶者が対価の支払いを受ける場合に配偶者に譲渡所得税が課されること、およびこの場合の取得費の計算方法が明らかにされました。
具体的には、居住建物等の取得費に配偶者居住権割合(居住権設定時の居住建物の価額に対する割合)を乗じて、ここから設定時から消滅時までの期間の減価分を控除するとされています。
また今回の大綱で、配偶者居住権が消滅する前に当該土地建物を譲渡した場合の取得費の計算方法についても併せて明らかにされています。
4. 所有者不明土地に対する固定資産税課税への対応
今回の大綱で相続税や贈与税に関しては特に目立った改正事項は見られないのですが、資産課税関連では、所有者不明の土地にかかる課税上の課題に対応するための措置として、土地の実際の使用者を所有者とみなして課税する仕組みを拡大することが明らかにされています。
すなわち、市町村は一定の調査を尽くしてもなお固定資産の所有者が明らかにならない場合に、その使用者を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課すことができることとされます。
この固定資産税の使用者課税は、災害等によって所有者が不明な場合など限定された場面での適用は認められていましたが(地方税法343条4項)、本改正で広く適用できるよう制度を拡充することにより、固定資産税負担なく土地を利用するといった不公平な状態が解消されるよう試みるものと思われます。。
なお、上述の一定の調査として大綱には、住民基本台帳および戸籍等の調査、使用者と思料される者その他関係者への質問などが明記されていますが、課税決定までの過程や基準についてはこの先明らかにされるものと思われます。
これらの事項の他、個人に関わる改正事項としては、NISA制度の拡充やその利便性向上のための措置、扶養控除の対象となる国外居住の親族より30歳以上70歳未満の者を原則として除外することなどが盛り込まれています。
これら改正の詳細は、来年の国会での法制化の過程で明らかになります。引き続き注視していきたいと思います。
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みなさんこんにちは。日ごとに寒さが加わってきますね。いかがお過ごしでしょうか。
家の近くの落葉樹はすっかり葉が落ちました。紅葉した大きな枯れ落ち葉が、カリカリに乾燥して、風に吹き寄せられて集まっているところに、ランドセルを背負った男児がかけて行って、ふんずけては「クシャッ、クシャッ」といい音を立てていました。
自分も子供の頃、自転車で枯れ落ち葉を踏みながら進むのが好きだったなあと思い出しました。あの音がたまらなく良いんですよね。
そんなカリカリの落ち葉も夜の霜などで湿って、親切な隣人の方がお掃除してくださって、道路もさっぱりしました。
「いよいよ冬なんだなぁ」と思いました。
最近「6歳のボクが大人になるまで」という映画を見ました。リチャード・リンクレイター監督の作品です。文字通り、6歳の少年が12年かけて大人になるまでを、家族も全員同じキャストで毎年夏の間に撮影しています。全てのキャストが歳をとっていきます。
特にものすごい事件は起こらないです。ずっとホームビデオを見ているようですが、小さな機微が随所に込められています。
私は長いので2日に分けて見ました。2日目のラストにかけて心がとらわれました。大学生になった主人公が母親の家を出て行く時、本当にあっけなく巣立っていきます。まるで巣があったことも意識していないくらいです。母親は「人生最低の日だわ」といい出します。
その意味が一瞬わからなかったけれど、続いて行く言葉でその意味がわかってきます。
「大人になったからこそ味わえる作品かなぁ」と思いました。おすすめです。
年の暮れはせわしなく、疲れもたまりやすいかと思います。
みなさまどうぞご自愛くださいませ。