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VOL.68 2017/12/05【給料の支払い方に決まりはあるのか?】


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vol.68 本号の内容

2017年12月5日

  • 給料の支払い方に決まりはあるのか?
  • 編集後記

給料の支払い方に決まりはあるのか?

弁護士 杉浦恵一

時に、給料からいろいろな項目で控除されていることがあります。

原則として、給料は、「通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定められています(労働基準法24条)。

(1)ここでいう「通貨で」とは、つまり現物で支給することは原則として認められないということです。

給料を現物で支給された場合、労働者は、支給された物とは別のものを手に入れるために、物々交換をするか、支給された物を売って現金を手に入れ、それで買うことになります。
このような手間がかかると、現実には生活できなくなるため、給料は通貨で支払わなければならないとされています。

(2)また、「直接労働者に」支払わなければならないと定められています。

これは、第三者を介して給料を支払う場合、給料を中間搾取される可能性があるためです。このような危険性を避けるために、給料は、直接、労働者に支払わなければならないとされています。

(3)そして、「全額を支払わなければならない」という点は、主には、勝手にいろいろな項目を相殺・控除することができないことを主に意味します。

源泉徴収が法律上決まっている所得税や社会保険料、協定で決められている一定の項目に関しては、給料から差し引くことが可能です。

しかし、例えば勤務先の物を不注意で壊した賠償金などは、勝手に給料から差し引くことはできません。
さらに例外として、労働者と勤務先が、差し引く合意を別途した場合には、その合意は有効になることはあります。

ただし、通常は有効性が厳しく見られる傾向がありますので、金額の合理性やきちんとした書類を準備し、労働者の意思確認も十分行うなど、注意が必要です。

給料の支払い方には、こういった決まりがありますので、自由にできるわけではないことは、注意が必要でしょう。


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編集後記

こんにちは。秋も深まってまいりましたね。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今年は季節外れの台風が多く、週末も家にいることが多いような気がいたします。

「読書の秋」と言いますが、振り返ってみれば、もうずいぶん前から小説を読まなくなっていました。最後に読みかけたのが太宰治の『津軽』ですが、途中で断念してしまいました。
図書館からも足が遠のいて、時々書店で実用書を買って情報収集するような感じです。

ノーベル文学賞のカズオ・イシグロさんの小説も、ドラマでしか知りませんでしたから、一度読んでみようかしらと思います。
もう一つ読んでみたいなと思ったのが、『ルビンの壺が割れた』という謎の本です。
発売前に限定で、ネット無料公開されたことで、SNSなどでレビューが拡散し、賛否両論の「キャッチコピーがつけられない」ミステリー小説だということです。
内容もSNSがきっかけでストーリーが動いていくという現代的な内容のようです。

「受賞による流行や、編集者の販売戦略に乗せられて飛びつくのは、、」など余計な反骨精神が出てきてしまうのですが、「たくさんの人を惹きつける何かがある」ということなのかもしれません。

年末にかけて、生活も仕事もせわしなく、秋の日もつるべ落としで暮れていきますが、皆さまも風邪など召されませんようご自愛くださいませ。

鈴木

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