弁護士&社労士&税理士&司法書士が教える! 企業法務・労務・税務・登記に役立つ法律情報 弁護士法人 名古屋総合法律事務所
2017年11月6日
税理士法人名古屋総合パートナーズ
平成29年度税制改正の一環として、いわゆる「広大地」にかかる評価通達が改正され、先日これに関する新たな財産評価基本通達が公表されました。これにより広大地は来年1月1日より「地積規模の大きな宅地」としてその評価方法が見直され、適用要件や評価額計算が変わります。
この影響で、例えば名古屋市近郊で150坪を超える程の土地を保有する方、または身内に保有する方がいらっしゃる方などにとっては、相続税の生前対策として年内中に贈与を行うか否かの判断が迫られている状況になっています。 今回のメールマガジンでは、この広大地の改正の内容と取るべき生前対策方法につき概要をご説明いたしたいと思います。
広大地とは、読んで字の如く「広くて大きな土地」であり、現行の通達では「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で...開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」と定義されております。 宅地としてはかなり広い土地を有効に活用するためには、一定の開発を行い区割りされた分譲用地に転換するなどの手間や負担が生ずることが想定されるため、相続税や贈与税を計算する際の土地評価額が相当程度減額されることになっています。その減額幅は最大65%ととても大きく、適用できるか否かで相続税額に与えるインパクトが大きなものとなっています。
現行の広大地評価の適用要件および減額幅(100%-補正率)は次のとおりです。
<広大地の適用要件>
この適用要件のうち、マンション適地ではない、道路敷設が必要、と言った不明確な要件を証明することが一般に困難で、適用を断念するケースも多く見られました。
このような土地は来年より新通達にある「地積規模の大きな宅地」として評価できるか否かが検討されることとなりますが、その適用要件と減額幅は次のとおりです。
<地積規模の大きな宅地の適用要件>
新旧の規定を比較してみると、適用要件はこれまで曖昧とされてきたマンション適地等の要件が求められなくなり客観的な基準だけとなった一方で、減額幅は、不整形地等の補正が加味されるようになるものの、大きく縮小されます。 このため、来年以降、適用できる土地の数は増えるその一方で、税金を減額させる効果は縮小されるケースが多くなることが予測されます。
ここで一つ言えることは、もし現時点で現行の広大地の適用要件を満たす土地を保有しているのであれば、評価基準が有利である今年のうちに子や孫に相続時精算課税制度を利用して贈与をしておいた方が相対的に節税となる可能性が極めて高いということです(相続時精算課税制度を用いると相続税の計算はあくまで贈与時の評価額で行うことになります)。
例えば名古屋市郊外の市街化区域に現行の広大地の要件を満たす地積1,000㎡、路線価10万円(不整形地等の補正がないことを前提)の土地を想定すると、現行の広大地評価では5,500万円まで評価減されるのに対し、新通達適用後の評価額は7,800万円となり、2,300万円もの差が生じます。
この差は計算上地積が広くなるほど大きくなります。相続税率が累進税率となっていることを考えても、より広い土地をお持ちの方ほど生前贈与による節税効果は加速度的に大きくなると言えます。
今年もあと2ヶ月足らずとなりました。心当たりのある方は早急にご検討ください。
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名古屋総合リーガルグループでは、中小・中堅企業の実情も十分考慮した上で、企業が抱える労務問題、取引先や顧客からのクレーム・トラブル、著作権侵害などのリスクから会社を守る方法を提案しています。
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多くの問題は、法律の知識をもって対策をしておくことで未然に予防することができます。
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こんにちは。秋も深まってまいりましたね。皆さまいかがお過ごしでしょうか? 今年は季節外れの台風が多く、週末も家にいることが多いような気がいたします。
「読書の秋」と言いますが、振り返ってみれば、もうずいぶん前から小説を読まなくなっていました。最後に読みかけたのが太宰治の『津軽』ですが、途中で断念してしまいました。 図書館からも足が遠のいて、時々書店で実用書を買って情報収集するような感じです。
ノーベル文学賞のカズオ・イシグロさんの小説も、ドラマでしか知りませんでしたから、一度読んでみようかしらと思います。 もう一つ読んでみたいなと思ったのが、『ルビンの壺が割れた』という謎の本です。 発売前に限定で、ネット無料公開されたことで、SNSなどでレビューが拡散し、賛否両論の「キャッチコピーがつけられない」ミステリー小説だということです。 内容もSNSがきっかけでストーリーが動いていくという現代的な内容のようです。
「受賞による流行や、編集者の販売戦略に乗せられて飛びつくのは、、」など余計な反骨精神が出てきてしまうのですが、「たくさんの人を惹きつける何かがある」ということなのかもしれません。
年末にかけて、生活も仕事もせわしなく、秋の日もつるべ落としで暮れていきますが、皆さまも風邪など召されませんようご自愛くださいませ。
鈴木