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2017年10月9日
弁護士 杉浦恵一
平成29年9月14日に、東京地方裁判所において、日本郵政の契約社員3人が、日本郵政を相手として、正社員と同じ仕事をしているにもかかわらず手当等に格差があることは違法であるとして、日本郵政に損害賠償請求をした裁判の判決があったという報道がありました。
報道内容によれば、住居手当と年末年始に勤務した際の手当に関しては、職務内容などの違いで差異を設けるのは不合理として、住居手当の6割と年末年始勤務手当の8割を損害賠償額として認定したということです。
また、お盆、年末年始の特別休暇、有給の病気休暇がないことも、不合理な相違に当たると判断されたようです。
ただし、損害賠償が認められたのは一部であり、契約社員3名が他に請求していた早朝・夜間勤務、賞与などの格差は、業務の幅広さや配置転換の有無に違いがあることを踏まえると、不合理な差ではないと判断されているようです。
これに加えて、契約社員からは、将来にわたって正社員と同じ待遇をすることを求めた地位確認の請求もなされたようですが、これも、不合理な労働条件の解消は労使の交渉結果も踏まえて決定されるべきとして、認められなかったようです。
現在施行されている労働契約法では、第20条で、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」を定めています。
その内容は、「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。」となっています。
つまり、有期の労働者(いわゆる「契約社員」)と期間の定めのない労働者(いわゆる「正社員」)の間でも、不合理な労働条件の差別は認められないという意味です。
この労働契約法の条文が施行されてから、各地で契約社員と正社員の待遇の差に対する賠償を求める裁判が行われているようです。
この条文を根拠に賠償請求をする場合、待遇の差が「不合理」かどうかによって判断が別れますが、不合理かどうかは最終的には裁判官の判断によりますので、事前に予想しにくい部分もあります。。
厚生労働省の解説では、「通勤手当」、「食堂の利用」、「安全管理」については明示的に、特段の理由がない限り合理的とは認められない差だとされていますので、こういった待遇の差は、契約社員と正社員で差を設けることは認められにくくなるのはないかと考えられます。
【厚生労働省 労働契約法改正のあらまし 不合理な労働条件の禁止 (第20条)】 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet07.pdf
企業の就業規則では、正社員に対して、来歴のよくわからない手当がいろいろとつけられていることもありますので、その手当の差が不合理な差別を言われる可能性もあります。
そのようなことにならないように、給与明細や賃金台帳、就業規則に記載されている手当の由来・来歴、その必要性などについて、一度見直した方がいいでしょう。
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10月になりましたね。秋の澄んだ空気が入り込んできて、五感も冴え渡るような気がします。朝の冷え込み、日中のうららかさ、夜長の月なども楽しめて、どこかに散歩やピクニックにでも行きたくなりますね。
私は近くの街まで用事があったので、電車に乗らずにサイクリングに行ってきました。「たまには運動しなくては」と思いましたのと、「清々しい秋の風を切って、知らない道を巡ってみよう」と思ったのです。
長袖を着て行きましたが、秋の風は自転車に乗ると思いの外冷たいものでした。
川沿いの並木道の通りに、築年数の古そうなビンテージマンションやビルが並んでいて、1Fにはカフェが入っていました。 自転車を停めて入ってみますと、自然光の射す大きな窓からは葉も色づき始めた並木や街行く人の姿が見えました。
コーヒーを飲んで一息入れて、
「こんな窓から並木が見えるお家に住みたいなあ」としみじみ思いました。
「だけども水周りの配管などは老朽化していてメンテナンスが大変だろうか」など、古びた天井の業務用エアコンを見ながら、現実的な心配ごともすぐに浮かんでしまって悪い癖だと思いました。
取るに足らないような1日の出来事ですが、秋の季節を感じた昼下がりでした。
朝晩は冷え込んでまいりましたから、皆様におかれましてもどうぞご自愛くださいませ。
(鈴木)