ホーム >  メールマガジンバックナンバー >  VOL.16 2014/08/05 【ベネッセ個人情報流出事件発生! 企業が負う責任は?】

VOL.16 2014/08/05 【ベネッセ個人情報流出事件発生! 企業が負う責任は?】

本号の内容

  • 情報流出のリスクと損害賠償
  • 夏季休業のお知らせ
  • 編集後記

情報流出のリスクと損害賠償

弁護士 杉浦恵一

最近、ベネッセコーポレーションから、大量の個人情報が持ち出され、
名簿業者に売却されたという事件が報道されています。

このベネッセコーポレーションの情報流出事件では、
情報を流出させてしまった顧客からの損害賠償請求の問題、
リスク管理の問題など、いろいろな問題が考えられます。


ベネッセコーポレーションが業務委託先の元システムエンジニアによって
持ち出された情報の件数は、2300万件以上とも言われています。

ベネッセコーポレーションは、当たり前ですが、
意図して情報を流出させたわけではありません。


しかし、個人情報を取得し、管理する企業は、
顧客との関係では、保管している個人情報を適切に取り扱い、
持ち出されたりしないようにする義務があると考えられています。

情報流出により企業が負う責任とは?

そのため、よほど厳重に管理している状態で、
不可抗力により流出してしまったという例外的な場合でなければ、
情報を流出させてしまった責任は、その情報を管理していた企業が負うことになると考えられます。

また、一度流出した情報を全て回収するとか、無かったことにはできませんので、
結局のところ、金銭で損害賠償をするしかなくなってきます。


これを、「金銭賠償の原則」と言い、民法417条(722条で準用)では、
「損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。」
とされています。


では、今回の事件で、ベネッセコーポレーションは、
最大でどれくらいの損害賠償をしなければならないのでしょうか。

損害額の算定方法

一般的に、情報が流出したことによって被る損害額は、算定が困難です。

例えば、交通事故であれば、
かかった治療費、車の修理額、休業損害額など、
決まった数字で算出することが比較的簡単です。


しかし、情報が流出したことによる損害は、
算定が一義的に決まらず、難しくなってきます。


過去の例では、


  • 流出した内容の分量
  • どの程度の情報が流出したか
  • 流出した方法がどの程度他人に知られたくない情報か

といった点を考慮して、1件あたり5000円~3万円くらいになっているようです。

もし2300万人に対して、1人あたり1万円を支払えば、
賠償額は2300億円になります。

流出した人全員から請求される可能性は低いと考えられますが、
10人に1人が請求しても、230億円に上ると考えると、
ベネッセコーポレーションの経営に与える打撃は
かなり大きなものになるのではないでしょうか。

業務委託先への損害賠償請求は?

とはいっても、実際に情報を流出させたのは、
業務委託先の元システムエンジニアです。

ベネッセコーポレーションは、
この元システムエンジニアや業務委託先の会社に対して、
実際に情報を流出させた責任があるとして、損害賠償の請求ができると考えられます。


しかし、賠償額が多額になった場合には、
個人や委託先の企業でも支払いきれず、
最終的にはベネッセコーポレーションが負担することになりそうです。

まとめ

携帯電話やインターネットの普及、情報化により、
どの企業も大なり小なりの個人情報のデータベースを
持っているのではないかと思われます。

インターネットを通じた予約、通信販売、店舗の発行するポイントカードなど、
個人情報を取り扱う機会は、昔に比べて頻度を増していると考えられます。


また、このような情報化社会において、個人情報の流出は、
データのコピーが可能であれば、非常に容易になっていると言えます。

ですから、1件あたりの賠償金額は大きくないといっても、
一度に流出する件数が膨大になる可能性がありますので、
今後、企業からの個人情報の流出の問題は、企業の存続を揺るがす問題になってくるかもしれません。

 


 

残業代やセクハラ、解雇やうつ病などの労務問題に
頭を抱えていらっしゃる経営者様も多いと思います。

労務管理は継続的な企業の成長をささえる
最重要課題といっても過言ではありません。


名古屋総合法律事務所は、「法の力」で強力にサポートして、
地元愛知・名古屋の企業の皆さまの持続的発展を応援します。

労務問題でお悩みの経営者、人事労務担当の皆さまが
少しでも問題解決に近づくためのヒントを提供できればと考え、
この度、労務問題専門サイトをOPENいたしました。

ぜひご覧ください!


当事務所のご相談受付はこちらです。お気軽にお問合せ下さい。

 ⇒ ご相談のご予約 052-231-2601

 または、メールフォームからお願いいたします。


弁護士法人名古屋総合法律事務所および税理士法人名古屋総合パートナーズはともに経営革新等支援機関に認定されています。

名古屋総合リーガルグループでは、中小・中堅企業の実情も十分考慮した上で、企業が抱える労務問題、取引先や顧客からのクレーム・トラブル、著作権侵害などのリスクから会社を守る方法を提案しています。

残業代やセクハラ、解雇やうつ病などの労務問題に頭を抱えていらっしゃる経営者様も多いと思います。

多くの問題は、法律の知識をもって対策をしておくことで未然に予防することができます。

顧問契約等の制度を利用していただければ、わざわざ来所していただかなくても電話やメールで気軽に相談していただくことができます。

ぜひ下記からお気軽にご連絡下さい。

▼法人様向けホームページはこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/

▼私たちが企業法務で選ばれる理由
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/reason/

▼顧問契約をお考えの方はこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/general-counsel/

夏季休業のお知らせ

誠に勝手ながら、8月13日(水)から8月17日(日)まで夏季休暇のため、
業務を休ませていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。

編集後記

世間は夏休みシーズンで観光地はどこも賑わっているようです。
みなさんはどこかでかけられたでしょうか?

旅行好き(とりわけ、自然、世界遺産、秘境が好き)な私は
北海道へ行ってきたのですが、札幌ではなく、知床周辺に行ってまいりました。

中部国際空港は1日1便ですが、女満別空港と直通便がありますので、2時間弱でついてしまいます。

緯度が10度も違うのでかなり涼しいだろうと想像しながら行ったのですが、、、暑い!!!
30度あります!!!(それでも名古屋よりは過ごしやすいです)


知床に来た目的はもちろん世界遺産(自然遺産)にふれあうためです。

北海道の東端にあるオホーツク海に面した知床半島と、その沿岸海域が登録の対象となっています。

THE自然とでもいいましょうか。
キタキツネやエゾジカなど野生動物をたくさん見ることができました。

その中でもやはりヒグマを見たい!
ということで夜のウォッチングツアーに行ってまいりました。

知床では、1平方kmに約0.4頭がおり、
世界でも高密度に生息しているヒグマですが、なかなか現れてはくれません。

毎日目撃情報はあるそうで、知床公園内を2時間ほど散策しましたが結局出会えず。
次の日も朝から探しましたが、今回は縁がありませんでした。


しかし、生まれたばかりの子ぎつねやたぬきの子ども
(これはヒグマを見るより難しいそうです!)
の野生の姿を見ることができ大変満足でした。


知床には1日しか滞在できませんでしたが、
その他にもオシンコシンの滝やカムイワッカの滝で水遊びしたり、
クルージングで知床半島をオホーツク海側から見たりと満喫できました。

写真を載せられず残念です!!!
まだまだ北海道旅行の話は続きますが、それはまた次の機会にということで。   (中野)

メールマガジンバックナンバーへ戻る

ご相談予約はこちらまで/お電話でのお問い合わせはこちら/TEL.052-231-2601/相談時間/平日 9:00-18:00/土曜 9:30-17:00/夜間 火曜・水曜 17:30-21:00/ご相談の流れはこちら

ご相談の流れはこちら

業務案内

電話・オンライン相談はじめました

マチ工場のオンナ

名古屋総合法律事務所の理念

解決事例

企業法務ブログ

経営品質・人材育成ブログ